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フィナンシェとマドレーヌが大幅リニューアル。

フランスの代表的な焼き菓子、フィナンシェとマドレーヌ。どちらも素材と製法がシンプルで、原材料の品質と、焼き加減の技が、そのままストレートに味に表れる伝統菓子です。シャトレーゼではこの春、この王道スイーツをリニューアルしました。どこが変わったのか、そのおいしさの秘密に迫ります。

フィナンシェとは?

17世紀頃、パリの金融街サンドゥニ通りで、忙しい金融家でも背広を汚さず食べられるお菓子として考案されたのが始まりだとか。フィナンシェという名前はその由来通り、フランス語で「金融家」という意味なのだそう。アーモンド粉を生地にたっぷり練り込んで焼き上げるバターの風味豊かな伝統菓子です。

マドレーヌとは?

18世紀頃にフランスのロレーヌ地方にあるコメルシーで誕生したと言われています。諸説ありますが、マドレーヌという名前は人名から、そして、特徴的な貝の形は、ホタテ貝の殻を使って焼いていたから、とも言われています。卵白を使うフィナンシェと違い、マドレーヌは卵黄・卵白を使用。レモンの皮と果汁を入れたり、ハチミツを入れたりと、さわやかに風味づけしたものも人気です。

最大のリニューアルポイントは焼き加減。

同じ原材料を使っても、焼き加減でおいしさが大きく変わるフィナンシェとマドレーヌ。真ん中がぷっくらとふくらんだ焼き加減はまさに職人のなせる技。焦げ目がつくほど外をこんがりと焼いても、中をしっとりふっくらさせるには、何十年もの経験が必要といわれています。

フィナンシェはアーモンドの香ばしさがポイント。

フィナンシェの主原料アーモンド粉は、パウダー状で仕入れるのが一般的。でも、油分の多いアーモンドをパウダーで仕入れてしまうと酸化も早く、香りもすぐに飛んでしまいます。そこで、シャトレーゼでは香り高いアーモンド粉を使うために、アーモンドのまま仕入れて使う直前に自社で粉にしています。挽き立てのアーモンド粉は、ローストしたときの香ばしさもひとしお。アーモンドの香ばしさを存分に感じていただけるよう、強めの火加減で表面をこんがり焼き上げました。

マドレーヌはふっくらした厚みとしっとり感。

以前の商品に比べ、焼き上がりがとても厚くなっています。その理由は、表面の焼き具合と中の焼き具合に差を生み出すため。表面はあまりベタベタせずふんわりとしていますが、割ってみると、中がじゅわっとするほどしっとり。これぞ焼き加減の妙。フィナンシェの火加減とはまた違った、ふっくらしっとりな焼き方です。口に含むと、ほぐれるような食感もポイント。ぜひ、味わって食べてみてください。

今では幻の名店「サロン・ド・シェフ・タケエ」の武江章シェフが監修。

今回のフィナンシェとマドレーヌを監修いただいたのが武江章シェフ。そう、数年前に惜しまれつつも閉店した「サロン・ド・シェフ・タケエ」の武江シェフです。武江シェフは、銀座「ガトー・ド・パリ・ル・ショワ・和光(現・和光ケーキショップ)」のシェフパティシエに就任後、調布市に「サロン・ド・シェフ・タケエ」をオープン。15年もの間、雑誌のスイーツ特集でも常連の人気店でしたが、2016年に若い世代に引き継ぎ閉店。今回のリニューアルでは、武江シェフ熟練の技を再現すべく、焼き工程を徹底的に見直しました。