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日本の甘党に伝えたい!魅惑のあんこワールド「こだわりすぎて気づけば80種」

和菓子はあんこで決まる!?


6月16日は和菓子の日。その由来は平安時代に仁明天皇が厄除けのためにお菓子を…というのはさておき。和菓子といえば、どら焼き、最中、おまんじゅう、お団子など、いろいろ種類がありますが、これらの和菓子に共通するものといえば…そう“あんこ”。和菓子=あんこと言っても過言ではないくらい、和菓子にとって欠かせない食材です。

「あんこ炊き職人は早死にする」

一方で、あんこというのはつくるのにとても手間がかかります。原材料の小豆(あずき)を、何度も水にさらし、高温の釜の前で長時間ずっとかき混ぜ続けなければならない重労働なんです。かつて和菓子屋さんの世界では、その過酷さを表すのに、「あんこ炊き職人は早死にする」なんて言葉もあったほど。機械化が進んだ今でも、長時間の釜炊きが大切なことは変わりません。
洋菓子のイメージの強いシャトレーゼですが、お店をのぞいてみると、ことのほかたくさんの和菓子もつくられていることがわかります。その舞台裏には、洋菓子に負けずとも劣らない手間が隠されています。今回はそんな丹精こめてつくられるあんこの世界を、ご紹介しましょう。

「赤いダイヤ」は北の大地でつくられる

シャトレーゼで使用するあんこの原材料となる小豆は、すべて北海道でつくられます。小豆の栽培はとても繊細で、湿害を嫌い、水はけのよい土地が条件となります。しかも、連作ができないため、1度収穫した畑は3年以上休ませなければなりません。(なかには7年以上休ませる品種も!)その繊細さゆえ、年によって収穫量の変動がはげしく、かつては先物取引で「赤いダイヤ」と呼ばれることもあったほど。
そんな貴重な小豆栽培において、全国の収穫量の9割以上を占める北海道。なかでも十勝地方は、成長時期の5月から10月に天候が安定し、日照時間が長いことから、繊細な小豆にあっても比較的安定した栽培が可能になります。また、特有の昼夜の寒暖差があることから、糖分の高い小豆が栽培できるのです。

▲広大な小豆畑 7月から8月にかけて青々と葉が茂る

▲10月下旬から11月頭に収穫時期を迎える

▲収穫された小豆。枝豆のような鞘(さや)の中に、赤いダイヤが!
小豆栽培の様子はこちら
小豆の収穫
8月の小豆
十勝地方の小豆

実は希少な「完全国産」のあんこ

こうして収穫された小豆は、その後山梨の工場へ送られ、白州の名水で洗われてから、あんこへと姿をかえていくのですが…実はお菓子業界では、国産の小豆を使用すること自体、珍しいんですよ。近年、日本で食べられているあんこは、中国など海外で収穫された小豆が使われることも多くあります。さらに、海外の工場であんこ(加糖餡)に加工されてから日本に輸入されることも。これは、小豆そのものの輸入量は法律で規制されているのに対し、加工された加糖餡には上限がないから。なので、お菓子メーカーの工場ではあんこづくりを目にする機会はあまりありません。
そんななかシャトレーゼは、すべてのあんこについて、国産の小豆を使用し、国内の自社工場で加工(自家炊き)を行っています。
シャトレーゼが自家炊きにこだわる理由は3つ。
理由1.あんこも鮮度が命
海外や社外の工場から仕入れると、輸送や保管に時間がかかり、その間にもあんこの鮮度は落ちていきます。自家炊きなら、必要な分だけ少量ずつ製造することができ、輸送も必要ないので常に新鮮で良質なあんこを使うことができます。
理由2.おいしいあんこは和菓子ごとに違う
おはぎ、おまんじゅう、最中、どら焼き、アイスまで、お菓子によって最適なあんこは違います。それぞれに最も合うあんこを用意するには、輸入や仕入れでは限界があります。自社工場でつくる必要があるのです。
理由3.お菓子メーカーの責任を全うしたい
原材料である小豆を直接仕入れ、自家炊きすれば安全面での責任が明確。お菓子メーカーとして、自信と責任をもって商品を送り出したいから、できる限り原材料から自社で加工するのがシャトレーゼの考えです。

▲山梨の自社工場に到着したあずきは、白州の名水でさらされる

▲砂糖を加えながら、高温の銅釜でじっくり時間をかけて炊く

無限に広がる和菓子の世界

シャトレーゼがつくる和菓子の数はおよそ80種。驚くべきは、そのほぼすべての商品で、あんこの味も変えているということです。当然ながら、数種類だけを大量につくって使いまわしたほうが、コストも手間も抑えられるのですが、それでは理想とする和菓子にはなりません。
ではいったい、どのようにして80種もの違いを生み出しているのでしょうか?
その1.つぶあん?こしあん?それとも?
まずいちばん大きな違いは、あんこの形状です。お馴染みの“つぶあん”、“こしあん”の他に、栗の甘みが加わる“栗あん”、茶葉を合わせた “抹茶あん”、白いんげんや白あずきを使った“白あん”など、色や形状だけでも数種類が存在します。
その2.砂糖の量と種類
続いて小豆を炊くときに加える砂糖。しっかりと甘さを出したい“最中”にはじっくりと砂糖を浸透させる、小豆の旨味をダイレクトに伝えたい“おはぎ”は砂糖少なめ、など他の材料とのバランスを考えて理想の甘さを目指します。また、食感をコントロールするために、水飴、氷砂糖、グラニュー糖など、複数の砂糖を使い分けることも。ただし、そもそもの小豆の風味が生きるよう、あくまでも加える砂糖は最小限です。
その3.炊き方次第でかため?やわらかめ?
もっとも繊細な“炊く”作業は、熱伝導のいい小さな銅釜を使って直火炊きしたり、大きな釜でたくさん炊いたりと炊き分けます。お饅頭なら硬め、お団子ならやわらかめなど、こちらもお菓子によって調整します。炊きすぎると小豆の風味が飛んでしまうので、理想の硬さにするためには、職人がヘラで確認したり、糖度を何度も測ったりと、手間をかけて最適な硬さへと仕上げます。工場見学でも、職人さんが銅釜の前を行ったり来たりする様子が見えました。

▲白州工場。職人が銅釜の前をなんども往復しながら様子をみる
いろいろな要素が組み合わさってできるあんこですが、いずれにしてもいちばん大切なのはバランス。あんこは和菓子になって完成品。ふっくら生地で挟まれるどら焼きなのか、もっちり生地で包まれる大福なのか、はたまたアイスなのか、他の素材と組み合わせた時に最適なバランスになるようにすることが肝心なのです。

違いがわかったらもうやみつき!?あんこを使ったおすすめ商品

国産小豆、自家炊き、そしてお菓子に合わせた80種ものバリエーション。「和菓子の日」をきっかけに、ぜひご賞味いただきたいので、あんこを楽しむのに最適な商品をいくつかご紹介します。使われるあんこの微妙な違いを楽しみながら、食べ比べてみるのもいいかもしれません。
小豆の味を直球で感じるなら、あんこたっぷりの“おはぎ”

粒をしっかりと残した銅釜直火炊き餡をたっぷりのせたおはぎです。甘さを抑えた低糖度の餡を使用しているので、たっぷりだけどあっさりとして、北海道産小豆の風味がダイレクトに伝わります。
特盛あんこのおはぎ 2個入 200円(税込216円)
甘さと香ばしさのバランスが絶妙な求肥入り最中

最中のあんこは、少し固めなのが特徴。砂糖を少しずつ加えることでじっくり浸透させ、滋賀羽二重もちの求肥と一緒に食べるとちょうどいい甘さになっています。香ばしく口どけの良い最中種と一緒に噛めば、口のなかに複雑な味わいが広がります。
菓心源助 餅入り最中1個 150円(税込162円)

和菓子の定番といえば、オーソドックスなどら焼き


風味豊かなつぶあんと濃厚卵の生地が楽しめるのが、大納言どら焼き。黄色が鮮やかな生地は、卵黄を多めに配合し、カステラのような口どけとボリュームを目指しました。
柏尾山 大納言どら焼き1個 120円(税込129円)
新発売!乳製品を惜しみなく使用した、上品なミルク餡

八ヶ岳高原牛乳・生クリーム・マスカルポーネチーズ・バターなどシャトレーゼ自慢の乳製品を惜しみなく使用した自家炊きミルク餡を、国産バターと練乳入りのしっとりミルク生地で包みました。花をかたどったかわいらしい形で、ご贈答にもおすすめです。
6月14日発売 酪花1個 120円(税込129円)
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