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こだわりの「水」のことをもっと知りたくて、白州の水vs硬水を比べてみた

2023年6月30日に更新しました

これまでにもたびたび話題にしてきたシャトレーゼがこだわる「水」。原材料の欄には書かれないけれど、すべての商品に使われる大切な原材料です。特に夏のギフトに最適なゼリーや水ようかんのように水がたくさん使われる商品は、影響を受けることになるとお伝えしてきました。
(参考:原材料にない「アレ」がおいしさを引き出す?ジュレや水ようかんを夏ギフトに

ただ、実際のところお菓子は水によってどのような違いがでるのでしょう。また、もし違う水でお菓子をつくってみたらどうなるのでしょうか。今回はそんな疑問を解消すべくちょっとした実験をしてみました。
その前にまずは基本情報を。シャトレーゼは平成6年に山梨県北西部の北杜市白州町に工場を建てましたが、それは白州の名水をお菓子づくりに使用したかったからです。白州工場以外にも、山梨県にあるお菓子工場で使用する水は白州町で採水されたものを運んでいます。
環境省が選定する「日本名水百選」にも選ばれており、山梨県だけでなく日本を代表する名水の里です。


白州町一帯は標高3000mを超える甲斐駒ケ岳を含む南アルプスと呼ばれる山岳地帯で、地下には花崗岩(かこうがん)という地層が広がっています。花崗岩は、地中でマグマがゆっくりと冷えて固まる深成岩という地層の一種で、水を含みやすい特徴をもっています。ここに降り注いだ雨や雪の水が長い年月をかけて濾過されることで、ほどよくミネラル分を含むバランスのよい天然水が生み出されます。
水は含まれるミネラル成分の量で「軟水」「硬水」と分類され、ミネラル成分が120mg/l未満であれば「軟水」、120mg/l以上であれば「硬水」とされます。日本で採水される水はほとんどが軟水に分類されますが、これは、余計な成分が含まれないため一般的に「飲みやすい水」とされ、出汁を大切にする和食や緑茶などの飲料に適しているとされます。一方で硬水は主にヨーロッパなどで採水され、煮込み料理に向くほか、消化を助ける働きがあるとされます。
白州の水は硬度が16〜22mg/lと軟水の中でも硬度が低く、よりクセのない飲みやすい水です。その点が、シャトレーゼが目指す素材の味を活かしたお菓子づくりには最適なのですが…果たして実際に白州の水と硬水を比べてみたらどうなるのでしょう。

軟水vs硬水 比べてみたらどうなる?

今回の実験では、白州の水と一般的にスーパーなどで売られている代表的な硬水を、分析資料を参考に飲み比べてみました。また、それぞれの水でフルーツのジュレをつくってみて硬さや味覚で比べてみることにしました。商品開発スタッフも、普段は白州の水しか使わないので、実際にやってみるのは初体験。はたして…

▲白州の水と、スーパーやコンビニで売られている代表的な水を比べてみます
軟水・硬水を、甘みや酸味など6種類の味を数値で比較したものをみると、硬水のほうが軟水に比べて「酸味」「塩味」が強いことがわかりました。特に酸味は、味に敏感な人でなくても違いを感じられるくらいの差があるとのことで、それが独特のクセになるのですね。
実際に飲み比べてみると、たしかに白州の水はクセがなく無味無臭です。なめらかにスッと喉を通り後味はほぼ何も残りません。対して硬水は、酸味かどうかまではわからずとも、なにかクセがあり後味が残ります。また、水が舌にまとわりつくような印象があり「水が重い」と表現する人もいました。

▲実際に飲んで確かめてみると、白州の水はクセがなく飲みやすい

フルーツジュレのなめらか食感は軟水のおかげ?

では、お菓子に加工してみるとどうなのでしょう。水だけで感じたような違いはでてくるのでしょうか。今回はお菓子のなかでも特に水の影響を受けやすい「ジュレ」で試してみます。用意したのは、砂糖の味をつけただけのジュレと、商品にもなっている『フルーツのジュレ 苺』を、白州の水、硬水それぞれを使用してつくったものです。

▲白州の水と硬水それぞれで作った、砂糖だけで味つけしたジュレと苺のジュレ
まず試してみるのは「固さ」です。一般的にジュレを固める時に使われるゲル化剤などはミネラル分の影響を受けるので、硬水を使用すると固くなるのでは、との予想でした。

実際に装置を使って測ってみると、硬水を使用したものはやはり予想どおり固いという結果になりました。特に砂糖だけで味つけしたものは、硬水は軟水の倍以上の固さがありました。

▲固さを測る機械で順に調べていきます
固さの違いは見た目にも明らかで、カップにいれて揺らしてみると、白州の水のほうはプルプルと揺れるのに対し、硬水のほうは揺れ方が重い印象です。

▲こちらは白州の水を使用したもの。ジューシーで水っぽい印象

▲こちらは硬水を使用したもの。白州の水を使用したものに比べて固まりがしっかりしています
シャトレーゼの『フルーツのジュレ』は、文字通り「ジュレ」なので、一般的なゼリーに比べやわらかく、口に入れた時にジュースのように果汁感を感じられるのが特徴なのですが、今回の実験を受けて考えてみると、このやわらかさは白州の水(軟水)だからこそ実現できるということが言えそうです。
続いて実際に食べてみると、固さはもちろんのこと味についても違いを感じました。白州の水を使用したほうは、砂糖や果汁の味を感じやすく、後味に余韻が残る印象です。対して硬水を使用したほうは、それぞれの味がやや感じにくいことと、後味がプツっと途切れるような感じです。おそらく、水そのものの味やミネラル分によって、砂糖や果汁がストレートに伝わってこないのではないかと考えられます。

固さや味は人によって好みがあるため、必ずしもどちらがいいとは言えないかもしれません。ですが、シャトレーゼが目指すできるだけ添加物を加えずに素材そのものの味を活かす商品づくりには、白州の水のような軟水は必要不可欠であるということが、今回の実験を通して確認することができました。
シャトレーゼには、ジュレや水ようかんの他にも、白州の水をそのまま感じられる名水仕立てのアイスや和菓子がたくさんあります。この夏にぴったりの商品ですので、ぜひ水のことにも思いを馳せながら召し上がってみてください。

白州の水を堪能できるジュレ、水ようかん

山梨の南アルプス白州名水は、天然のミネラル分が程よく含まれていて、お菓子作りに適しています。この水とこだわり果汁で、涼しげなフルーツゼリーを作りました。

フルーツのジュレ

白州名水を使用して、口どけのよい水ようかんに仕上げました。北海道産小豆のおいしさを引き出した風味豊かな水ようかんです。

白州名水 尾白のせせらぎ